2025年7月13日、**上海証券取引所(上交所)**は、テック系新興企業向け市場「科创板(STAR市場)」で大規模な制度改革を発表しました。


🌟 科创板とは?

中国版ナスダックとも呼ばれる、ハイテク・スタートアップ向けの新興市場。2019年開設以来、AI・半導体・バイオテックなど最先端分野の資金調達を支えています。


🔑 今回の改革ポイント(日本人向け解説付き)

1. 「成长层(成長層)」制度を導入

✔️ 「成长层(成長層)」とは?
科创板内で、特に利益が出ていない(赤字)の成長中企業をまとめる区分。
✔️ これにより、投資家は黒字企業と未黒字企業を区別して投資判断できるようになります。

  • 既存の赤字企業32社がこの「成長層」に移行。
  • 今後上場する赤字企業も、自動的に「成長層」に入る仕組みになります。

2. IPO「预先审阅(事前審査)」制度を新設

✔️ 「预先审阅(よせんしんえつ)」とは?
上場前に提出書類を上交所が非公開で事前チェックする仕組み。

  • 特許情報などの技術情報を公開するとビジネス上不利になる企業が、上場準備段階で安心して審査を受けられるようにする制度。
  • 日本や米国でも類似の非公開審査制度があります。

3. 「成熟機関投資家制度」を導入

✔️ 「成熟機関投資家」とは?
過去に多くのIPO投資経験があり、長期的な投資が可能な金融機関やファンド。

  • 条件
    • 過去5年間に科创板で5社以上、または他市場で10社以上への投資経験。
    • IPO申請の24ヶ月前~申請時までに3%以上の株式保有または投資額5億元(約110億円)以上

✔️ 狙い
短期投機マネーではなく、企業成長を支える長期資金を呼び込むことです。


4. 個人投資家の参加条件は据え置き

  • 従来通り、個人投資家が科创板で取引するには資産50万元(約1,100万円)以上かつ2年以上の投資経験が必要。